繊細かつ多彩なホビー向け金型、技術を広めるルアー型プラモ
誰もが知るキャラクターやロボットアニメのプラキット製品のほか、鉄道模型、モデルガンなどを生み出す射出成形金型を数多く手掛けてきたマツキ。人物の髪や服のしわ、植物や岩肌の表面といった細かく不規則な造形さえも金型で作り込んでいる。
その技術力を積極的にPRするため、初の自社製品「ルアープラモ」を2021年に発売し、大きな反響を呼んだ。主力のホビー向け以外の受注獲得にも力を入れる。
【創業からホビー向け金型を製造】
同社は創業から40年以上、ホビー向け製品の射出形金型を製造してきた。大手玩具メーカーの求めるクオリティーに対応できる金型加工メーカーは国内でも少なく、直接取引している多くのメーカーから信頼を得てきた。
「近年ホビー製品ではロボットなどの機械的な製品だけでなく有機的な造形も増えているため、繊細かつ複雑な加工技術が求められる」と同社の鈴木崇嗣社長は話す。さらに、プラキット製品は接着剤を用いずプラスチックの部品をはめ合わせ、可動部品も多い。その嵌合部の調整は数値化が困難で感覚的なため、“職人技”が光る。マシニングセンター、放電加工機、フライス盤、平面研削盤な
ど多様な機械と加工法を組み合わせるとともに、射出成形機を保有し即時試作も可能。急な要望、微調整にもスピーディな対応を実現している。
【培ってきた技術を生かした自社開発】
高い技術を持ち、多くのメーカーから頼りにされる同社だが、製品に名前が出ることはなく、仕事ぶりを広く知ってもらうことが難しかった。そうした中、社員から「釣りで使うルアーを作りたい」という要望が上がった。それならばと、培ってきた技術やノウハウを生かした「ルアー型のプラキット」を自社開発しようと奮起、ルアープラモを完成させた。同製品はポリスチレン製で、接着、防水処理の上で実際に泳がす実用性も視野に入れた。通常のルアーではあまり見られないリップ( 水の抵抗を調整する部品)を付け替える楽しさも追加した。釣り針部分もプラスチックの分割パーツとして、悩み考える楽しさを求めてあえて難易度も上げているという。
2021年5月にクラウドファンディングを実施したところ、20万円の目標金額に対し576%の115万円を達成。全国の小売店でも取り扱いが開始し、多くのメディアや芸能人のYouTubeにも取り上げられた。また、こうした動きを背景にルアー業界からの金型の受注や量産も開始。同製品を呼び水として、これまで取引のなかった業界の受注を増やしたいと鈴木社長は話す。
さらに、2023年より町工場から出る廃材をアップサイクルするプロジェクトを開始した。協力工場を増やし、現在は試験段階だが、将来は廃材プラットフォーム構築を目指している。
商品情報
商品名:「ルアープラモ」
用途:作って学んで遊べるルアー型プラキット
サイズ(mm): W140×D250×H20mm
価格(税込):2,000 円(税込)
販売サイト:https://matsukitokyo.jp/
企業紹介
(株)マツキ Matsuki inc.
所在:〒132-0031 東京都江戸川区松島2-1-7
従業員数:12名
事業内容:ホビー関連金型製造
FACTORY’S GOODs 詳細情報
ポップアップショップ @銀座 蔦屋書店
会期:2023年 11月3日(金・祝)〜4日(土)12:00~20:00(最終日は19:00)
会場:銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM (東京都中央区銀座6丁目10−1 GINZA SIX 6F)
https://store.tsite.jp/ginza/
入場登録:不要
入場料:無料
店頭タイアップによるフェア @銀座 蔦屋書店
会期:2023年10月21日(土)~11月5日(日) 10:30~21:00
会場:銀座 蔦屋書店 (東京都中央区銀座6丁目10-1 GINZA SIX 6F)EATALY側展示台
https://store.tsite.jp/ginza/
技術展示&ポップアップショップ @東京ビッグサイト
会期:2023年 11月29日(水)〜12月1日(金)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト 西2ホール (G-01)(東京都江東区有明3-11-1)
入場登録:要(詳細は https://autumnfair.nikkan.co.jp/ 参照)
入場料:1,000円(入場登録者、招待状持参者、中学生以下無料)
特設Webサイト:https://biz.nikkan.co.jp/brand/factorysgoods/
展示会スポンサー
株式会社ソディック
株式会社青山財産ネットワークス
日進工具株式会社
牧野フライス精機株式会社
碌々スマートテクノロジー株式会社
一般社団法人日本工作機械工業会
株式会社アマダ
モノづくり日本会議