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コロナやがんを早期検出、バイオセンサーに光コム

徳島大学の宮村祥吾大学院生と安井武史教授、高知工科大学の田上周路准教授らは、周波数が厳密に求まる光コムをバイオセンサーに用いた高感度測定法を開発した。コロナウイルスで検出限界を検証したところ、試料中にコロナウイルスしか入っていない理想条件では37アトモル(アトは100京分の1)だった。ウイルスやがんなどの早期検出につながる。

光コムは櫛(くし)歯状の光で厳密測定が可能。この光路に光ファイバー式のバイオセンサーを組み込んだ。センサーに生体分子が付着すると光コムの波長がずれる。電気的に計測すると極わずかな変化を測れる。

温度変化を相殺するためのセンサーと、実際に試料を検出するセンサーを並列化して測定すると、10分間の測定で検出限界が37アトモルだった。コロナウイルス抗原をリン酸緩衝液に溶かした理想条件ではあるが、極めて微量な生体分子を検出できた。今後、鼻腔拭い液などの、夾雑(きょうざつ)物が大量に含まれる試料で有効性を検証する。

日刊工業新聞 2023年10月05日

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