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普通トラック販売4年ぶり増加も…日野自動車「不正の影響は残る」

トラック業界関係者がまとめた2023年4―9月期の普通トラック(積載量4トン以上の大型と中型トラック)の販売台数は、前年同期比35・9%増の3万4350台となった。4―9月期として4年ぶりに前年実績を上回り、4社全てがプラスで着地した。9月単月の販売台数も前年同月比45・3%増の7871台と、7カ月連続で前年同月を上回った。新型コロナウイルス感染症の影響や半導体など部品不足の状態から回復傾向にある。

4―9月期の企業別では、いすゞ自動車が前年同期比59・8%増、三菱ふそうトラック・バスが同43・6%増と大幅に上回った。

22年3月に発覚したエンジン認証不正による生産停止で前年同月が大幅に落ち込んでいた日野自動車は、「A09Cエンジン」搭載の大型トラック「日野プロフィア」など一部機種の出荷再開で徐々に国内シェアを取り戻しつつある。一方、大型トラックに強いUDトラックスは、9月単月の販売台数シェアが前年同月比で下落した。

9月単月のUDの販売台数は前年同月比で7・8%減少。UD以外の3社は前年同月に比べ増加した。いすゞは同68・3%増の4153台と9月の全需要の半分以上を占めた。

今後について日野自は「市場全体で大幅な前年超えになると予測するが、依然として半導体不足、当社認証不正の影響は残る」と分析する。

国内市場は大幅な需要増が見込みづらい。経済成長でトラック需要が増える東南アジアや、物流面でも脱炭素化が求められる欧米などでの電動化戦略が各社の成長のカギになりそうだ。

日刊工業新聞 2023年10月05日

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