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いすゞの「小型トラック」、カンボジアでノックダウン生産に切り替える理由

いすゞの「小型トラック」、カンボジアでノックダウン生産に切り替える理由

カンボジアでの小型トラックの需要増に対応し、同国に組み立て工場を開設した

いすゞ自動車はカンボジアで小型トラックの現地組み立てに乗り出す。当面は年産数百台規模を見込んでおり、実需に応じて増産を検討する。カンボジア経済の発展に伴い物流需要が広がる中、完成車輸入よりもリードタイムやコスト削減が期待できるノックダウン(KD)生産に切り替える。

組立工場は同国南部のコンポンスプー州に立地。小型トラック「Nシリーズ(日本名エルフ)」を生産する。工場の面積は約3000平方メートル、組み立てラインは1本からスタートする。

エンジンやトランスミッション(変速機)、フレームなど、キャブ(運転台)以外は藤沢工場(神奈川県藤沢市)から部品単位で出荷し、現地で組み立てる。キャブは組み上げた状態で日本から出荷する。

カンボジア国内では、現地販売店がいすゞ車のショールームや整備工場を保有しており、組立工場は新規投資となる。カンボジアでは経済成長に伴う生活水準の向上で、小口配送用途など小型トラックの需要が増えているという。

Nシリーズを含む商用車(CV)事業は半導体不足による生産制約があるが、概ね需要は堅調に推移する。アジア地域における2023年3月期のCVの販売台数見通しは前期比6・5%増の9万7000台。

日刊工業新聞 2023年月4月18日

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