開発約60年の超低温技術生かす、住友重機械工業がJAXA衛星に冷凍機
住友重機械工業は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発したX線分光撮像衛星「XRISM(クリズム)」に搭載されている二つの観測装置の開発に参画した。約60年開発してきた極低温技術を生かし、観測に必要な冷凍機などを納入した。クリズムは7日、大型基幹ロケット「H2A」47号機で種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げられた。
「軟X線分光装置リゾルブ(X線マイクロカロリメータ)」と「軟X線撮像装置エクステンド(X線CCDカメラ)」の開発に参画した。
軟X線分光装置には超流動液体ヘリウムタンクや冷凍機2台などを納入。同装置はX線が素子に当たった際のごくわずかな温度上昇を利用してエネルギーの大きさを測る。センサー部分のエネルギー分解能を高めるため、冷凍機などでマイナス273・1度Cに冷却する。
軟X線撮像装置には冷凍機1台などを納入。同装置は天体から届くX線を捉えて画像を撮影する。検出感度を上げるため、冷凍機で約マイナス110度Cに冷却する。
日刊工業新聞 2023年09月12日