建機メーカーの業績の明暗を分ける中国市場への依存度
中国市場への依存度の差が建設機械メーカー各社の業績の明暗を分けている。大手3社の2022年4―12月期は、中国依存度が低いコマツと日立建機が大幅増収・営業増益だった一方、両社より依存度が高いコベルコ建機は減収・経常減益。住友建機も22年12月期(3月期から決算期変更)で増収は果たしたが営業減益だった。中国の売上高比率はコマツや日立建機の3%程度に対し、コベルコ建機と住友建機は10%近くで、この差が如実に表れた。
住友建機の親会社である住友重機械工業の調べによると、中国の油圧ショベル需要(外資系の合計台数)は21年度の4万9000台に対し、22年度は2万2000台と半分以下に激減。23年度はさらに1万8000台に落ち込む見通しだ。
コマツは22年4―12月期、建機・車両部門の中国の売上高が前年同期比86億円減少したが、北米向けが同1869億円増、中国を除くアジア向けも同1385億円増と、中国減少分をカバーした。建機の値上げが浸透したことも後押しとなった。
日立建機も同じ期の中国売上高が同99億円減だったのに対し、北米は同611億円増、アジアも同237億円増だった。
コベルコ建機は中国不振に加え、エンジンの調達先である日野自動車のデータ不正問題や、部品不足も重しになった。北米や欧州で需要はあるにもかかわらず、思うように生産ができなかった。23年3月期の通期業績は、こうした部品不足の影響をどれだけ改善できるかもカギになる。
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