EVシャフト重量半減、日本スピンドルがすごい新技術
日本スピンドル製造(兵庫県尼崎市、近藤茂雄社長)は、電気自動車(EV)のモーター部品のローターシャフトを効率良く加工できる技術を開発した。得意とするフローフォーミング加工法の新技術により鍛造品を切削する従来工法に比べ、ローターシャフト材料の重量を半分以下に抑えられる。内部の中空化も可能。EVの軽量化に貢献する。
フローフォーミング専用機を使っている場合、加工ツールを交換すれば数十万円の費用で導入できる。EVの普及を見据え、専用機の拡販を目指す。
フローフォーミングは板状や円筒状の金属を回転させ、ローラーを押し当てて金属を自在に変形させる加工方法。ローターシャフトのフローフォーミングにおいて、一部をツバ出しして張り出す加工技術を開発した。
ローターシャフトの端が短くなるため、加工箇所が従来工法より少なく、材料の重量を抑えられる。内部の中空化により冷媒を通せるため、冷却性能を高める効果も得られる。
日本スピンドル製造は住友重機械工業の子会社。フローフォーミング専用機が主力。新加工技術は専用機のうち、駆動系部品向け機種が対象となる。
【関連記事】 次世代EVの競争力を左右する注目の電子部品メーカー
日刊工業新聞 2023年07月18日