パナソニックが世界展開へ、高速電力線通信技術「ネッサム」とは?
パナソニックホールディングス(HD)は7日、提供する高速電力線通信技術「HD-PLC」の名称を「Nessum(ネッサム)」と変更し、世界展開に取り組むと発表した。基盤となる技術が8月に米電気電子学会(IEEE)標準規格協会で次世代通信規格として技術ドラフトの承認を受けたことを機に、新たなブランドを構築する。トンネルやプラントなど従来の通信で対応が難しい環境に売り込む。
ネッサムは有線の利用周波数を従来のメガヘルツ(メガは100万)帯からキロヘルツ帯まで拡張し、より多様な通信媒体に対応。アンテナを利用した近距離高速無線で無線の混信や複雑な配線を避けられる。水中のIoT(モノのインターネット)通信の実証実験も進める。
同日会見した小川立夫グループ最高技術責任者(CTO)は「社会の隅々までネットワークでカバーすることを目指し、他のネットワークと共存してIoT社会の隙間を埋める」と意気込んだ。
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日刊工業新聞 2023年09月08日