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世界の代替たんぱく質市場、2035年4兆9064億円に拡大と予想

矢野経済研究所(東京都中野区、水越孝社長)は、世界の代替たんぱく質市場(メーカー出荷額ベース)が2027年に1兆7220億200万円、35年には4兆9064億5900万円に拡大すると予測する。世界の人口増加に伴い食肉需要が増える一方で、畜産由来の温室効果ガス(GHG)排出や水資源の大量利用といった畜産業が地球環境に与える影響などにより、植物由来肉や培養肉、昆虫タンパクなどの代替たんぱく質市場は拡大するとみる。

例えば、植物由来肉市場は畜産と比較して水の使用やGHGの排出を抑制する持続可能性の高さ、健康志向の高まり、食の多様化などを背景に拡大してきた。すでに一定規模の市場を持つ米国や欧州が今後も堅調な伸びを見せるという。さらに、中国などアジア圏では健康志向の高まりとともに植物由来肉の技術が進歩しており、今後は伸長すると予測する。

日本でもネクストミーツ(東京都新宿区)などが植物由来の肉を取り扱っている。

矢野経済研究所は22年の代替たんぱく質の世界市場規模は6395億7300万円と推計。22年から23年にかけては、不安定な世界情勢により食品の不安定化や価格高騰もあり、今後の食品安全保障の強化が課題となっていると指摘する。

また、見た目や味を本物に近づける生産技術の開発、生産コストの削減、認知度の向上なども進み、市場は大きく拡大すると見ている。

日刊工業新聞 2023年09月06日

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