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次世代太陽電池「ペロブスカイト」に予算150億円積み増し、社会実装を急げ

経産省が支援拡充

経済産業省はペロブスカイト太陽電池の開発事業の予算を150億円積み増し648億円とする。次世代型として期待される同太陽電池をめぐり、国際的に開発競争が激化している。実証や大型化などへの支援を拡充して、2030年の社会実装とする当初目標を前倒す。

開発事業はグリーンイノベーション基金の一環。増額する150億円は同基金からまかなう。

軽量で柔軟なペロブスカイト太陽電池は、ビルの壁のほか、倉庫、学校といった耐荷重が低い建築物の屋根を含めさまざまな場所に導入できる。150億円のうち80億円を、多様な利用形態での実証を進めるために使う。23年度中にも公募を始める。

基盤技術の開発支援と、大型化・耐久性向上に向けた開発支援の予算もそれぞれ30億円、40億円積み増す。

海外でも同太陽電池の実用化が進む。中国や英国、ポーランドではスタートアップが量産に向けた動きを活発化している。経産省は海外に先駆けて社会実装したい考え。

政府はグリーン・トランスフォーメーション(GX)関連で24年度から複数年で2兆円超の予算を要求した。このうち1兆2000億円規模はペロブスカイト太陽電池を含む脱炭素製品の製造基盤整備に充てる方針で、量産体制も後押しする。岸田文雄首相は4月の再生可能エネルギー関連の閣僚会議で「日本が強みを持つ技術・材料を生かし、30年を待たずに早期に社会実装を目指す」としていた。


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日刊工業新聞 2023年09月06日

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