8月の景気DI2カ月ぶり悪化も、唯一改善した地域は?
帝国データバンク(TDB)が発表した8月の景気動向調査(全国)は、景気DIが前月比0・3ポイント減の44・9だった。2カ月ぶりに悪化した。ガソリンをはじめとするエネルギー価格の高騰、台風による人流、物流の停滞などが景気の下押し要因になった。
景気DIは50を境に「良い」か「悪い」か判断する。地域別では10地域のうち7地域が悪化。「中国」が1・0ポイント減、「北海道」「南関東」「四国」の3地域が0・8ポイント減と大きく落ち込んだ。「九州」は0・3ポイント増で唯一改善した。10地域の格差は、同0・6ポイント増で4カ月ぶりに前の月を上回った。
規模別では「大企業」「中小企業」が2カ月ぶりに悪化し、「小規模企業」が3カ月ぶりに改善した。
業界別では、10業界中7業界で悪化した。台風の上陸など天候不順による観光施設の臨時休業がマイナス材料になった。「サービス」が同0・9ポイント減の50・8、「卸売」が同0・6ポイント減の42・3だった。
「製造」は同0・3ポイント減の41・2で、2カ月ぶりに悪化した。中国など海外経済の減速や在庫調整による生産・出荷量の減少などが響いた。
TDBは「賃上げの広がりやインバウンド(訪日外国人)の拡大などがプラス材料になる一方で、人手不足や中国経済の減速、地政学的リスクなどが景気の下押し要因になる。今後は好材料と悪材料が混在する中で、おおむね横ばい傾向で推移する」とみる。
日刊工業新聞 2023年09月06日