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トヨタは初の営業益1兆円越え…乗用車メーカー7社、4-6月期決算の全容

乗用車メーカー7社の2023年4―6月期連結決算が9日出そろった。生産・販売台数の増加や為替の円安効果などで全社が増収、営業、経常(税引き前)、当期の各損益が増益または黒字転換した。世界販売台数は日産自動車三菱自動車を除く5社が前年同期を上回った。一方、半導体不足は緩和しているが払拭し切れず、原材料高も続く。中国市場の販売競争や為替動向など見通しにくい要素もあり、24年3月期連結業績予想の上方修正は3社にとどまった。

トヨタ自動車は4―6月期として売上高や各利益段階が最高となり、営業利益は日本企業の四半期決算として初めて1兆円を超えた。半導体不足が緩和して生産、販売が増えたほか、商品力向上や原価低減などの取り組みの効果が表れた。一方、中国の販売競争激化や為替動向など不確定要素を考慮し、通期業績予想は据え置いた。

ホンダは北米を中心とする販売増で4輪事業の営業利益が改善し、4―6月期の営業利益が四半期で過去最高となったが、通期予想の修正は見送った。中国の販売減や米国景気動向などを見ながら「第2四半期に向けて見通しは精査したい」(ホンダ)とする。SUBARU(スバル)も北米を中心に堅調で、4―6月期の営業利益は前年同期比2・3倍だったが、通期予想は据え置いた。

中国市場では現地メーカーとの販売競争に各社が苦戦している。日産は中国市場の販売見通しを下方修正し、通期の世界販売台数見通しを期初予想比7・5%減の370万台(前期比12・0%増)に引き下げた。三菱自は現地工場の稼働再開のめどが立たず、事業構造改革について現地パートナーと交渉を続けている。

マツダは出荷台数や販売構成の改善で4―6月期の営業損益が黒字転換したが、通期予想は据え置いた。足元で中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の販売台数が減少しており、4―9月期決算に向けて「販売の動向を見極めながら対応を検討する」(マツダ)とする。

各社の24年3月期通期業績見通しの変化は半導体供給、原材料高、為替、中国市場の動向などの見極めが進む4―9月期決算に、より具体的に表れそうだ。


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日刊工業新聞 2023年08月10日

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