積水化学など2社が最低評価…企業庁が価格交渉・転嫁実態調査リスト公開
経済産業省・中小企業庁は、3月に実施した下請け中小企業を対象とした価格交渉・転嫁の実態調査に関し、発注側116社の実施状況を示したリストを公表した。個社別に価格交渉・転嫁状況を点数化し、4段階で示した。
価格交渉で最低評価だったのが積水化学工業、トーエネックの2社だった。価格交渉・転嫁状況ともに最も良い区分に入ったのは東芝、旭化成、出光興産の3社。実態調査を踏まえ、取引状況が芳しくなかった約20社については「指導・助言」を行う。価格交渉・転嫁を促し、中小の賃上げにつなげる。
3月の価格交渉促進月間の後、下請け30万社を対象に実施した実態調査の回答結果を基にリストを作成した。具体的には下請け10社以上から取引先として社名が挙がった発注側大企業116社について、直近6カ月の価格交渉・転嫁状況を回答に応じて10点満点で評価し、平均点数を算出した。
価格交渉に応じたかどうかなどの交渉状況に関して、4段階の中で最も良い「7点以上」を獲得したのは30社、「4点以上、7点未満」が60社だった。「0点以上、4点未満」が24社、「0点未満」が2社だった。
取引価格への価格転嫁では「7点以上」が4社、「4点以上、7点未満」が66社。「0点以上、4点未満」は46社、「0点未満」は0社だった。
同日開いた閣議後会見で西村康稔経済産業相は「サプライチェーン(供給網)全体で共存共栄を図り、価格転嫁を積極的に進めてほしい」と述べた。
日刊工業新聞 2023年08月30日