数十兆円規模の市場拡大見込むビヨンド5G、大阪ガス子会社が材料・部品メーカーつなぐ
大阪ガス子会社のKRI(京都市下京区、川崎真一社長)は、第5世代通信(5G)の次の世代のビヨンド5G(B5G)用材料・デバイス開発を支援する体制を確立した。実験環境を持つオプトエレクトロニクス研究室を設置、材料開発や評価・シミュレーション、デバイス試作などで知見を持つ5人を配置した。数十兆円規模で市場拡大を見込むB5G関連で材料メーカーと部品メーカーのつなぎ役となり、開発期間短縮で貢献を狙う。
専用研究室は本社を置く京都リサーチパークに設置した。23年度中に1、2人を専任メンバーとして増員する予定。電磁波の可視化で独自技術を持つ岐阜大学発ベンチャーのフォトニック・エッジ(岐阜市)とも協力関係を結び、今後も技術補完のために他社との連携を進める。B5G用材料・デバイスの開発支援で2027年度に受託12件、売上高2億4000万円を目指す。
B5G関連の開発受託を加速するため、電磁波制御技術に用いるデバイス「メタサーフェス反射板」の試作にも取り組んでいる。インクジェット印刷技術を用い、ポリイミド基板上に銀インクを多パターン印刷した10センチメートル角の同反射板の試作を行った。B5Gの通信環境整備で、建物の障害物環境に応じ個別設計対応するオンデマンド型反射板と位置付ける。
同研究室が主体となり、10月27日に京都市内で「次世代通信のキー技術」がテーマのワークショップも行う。材料メーカーや部品メーカー、通信事業者、大学関係者などを講師に招き、研究所の活動をPRしていく計画だ。
日刊工業新聞 2023年08月28日