夜間工事の問題を一気に解決、帝人と東急建設が建設現場に水素燃料電池
帝人と東急建設は、建設工事現場の電源として水素燃料電池発電機の有効性に関する検証を行った。帝人グループが開発した、燃料電池の稼働に必要な機材を一体にした可搬型の燃料電池ユニットと、同ユニットに水素を供給する圧力容器ユニットを活用。今後、両社は寒冷環境下での検証も行う予定。帝人はこれら検証結果などを踏まえ、燃料電池、圧力容器ユニットを建設業界など向けに、2024年春ごろに販売開始することを目指す。
東急建設が施工中の、渋谷駅周辺開発に伴う建設工事現場で検証した。東急建設の技術研究所が、再生可能エネルギーを用いて生成したグリーン水素を用いた。発電機を累計10時間使用した結果、同出力のガソリン発電機と比べ、約6キログラムの二酸化炭素(CO2)削減効果を確認した。運転音は約80デシベルのガソリン発電機に対し、約60デシベルまで抑えられた。
夜間工事の現場では、照明や警告板などの利用のために電源が必要になるが、一般的に軽油やガソリンを用いる発電機を使う。その際、CO2排出や騒音、臭気といった問題解決が課題となる。
日刊工業新聞 2023年08月17日