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東急建設が開発、コンクリートの締め固めを可視化するセンサーが解消する課題

東急建設が開発、コンクリートの締め固めを可視化するセンサーが解消する課題

「締固め管理センサ」を現場に適用し、効果を確認した

東急建設は、コンクリートの締め固め作業を可視化する「締固め管理センサ」を開発した。棒状のバイブレーターに取り付けて型枠内の生コンクリートに差し込むと、所定の深さに達した段階で発光ダイオード(LED)ランプが点滅。その上で締め固めに必要な時間を正確に計測し、完了すると作業者に知らせる機能を持たせた。作業員の感覚や経験値に頼る課題を解消する。

東急建設と小川優機製作所(横浜市保土ケ谷区)が共同開発した。このほど、和歌山県内の建設現場で行った深礎杭コンクリートの打ち込み作業で初めて適用。地下水の排水処理とコンクリートの打ち込みを同時に行う厳しい環境下でもセンサーが正常に動作し、適正な深さと振動時間の把握に役立つことを確認した。センサーは大半の棒状バイブレーターに装着できる。

コンクリートの締め固め作業は生コンにバイブレーターを差し込み、振動させることで余分な気泡を取り除いてコンクリートを均質化するもの。コンクリートの強度や耐久性を損ねる空洞の発生を抑えるには、バイブレーターを差し込む深さや振動させる時間を管理することが重要とされている。開発したセンサーにより、締め固め作業の効率化と生産性の向上が見込める。

日刊工業新聞 2023年07月11日

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