コマツは日立製作所とともに技術供与し、デンヨーが開発・製品化した水素混焼発電機（写真）を小山工場（栃木県小山市）に導入した。発電機の出力は２５０キロワットで、燃料に水素を最大５割混合した発電が可能。軽油のみの発電と比べて二酸化炭素（ＣＯ２）排出量を５０％削減できる。コマツは将来のカーボンニュートラル（温室効果ガス排出量実質ゼロ）実現に向けた取り組みとして、９月中の本格稼働を目指す。

コマツは小山工場で、水素燃料電池を搭載したコンセプトマシンの実証実験を５月から始めている。現状のリチウムイオン電池（ＬｉＢ）ではパワー不足や、充電に時間がかかるなどの問題があり、２０トンを超える中・大型クラスの建機の普及は、ＬｉＢの電動式より水素燃料電池式の方が可能性が高いと見て研究開発を急いでいる。

欧州工場における工場出荷製品への充てん燃料を、水素化植物油に切り替える取り組みも進めている。ＬｉＢに比べ水素はエネルギー密度が高く、短時間で水素燃料を充てんできる。

混焼発電で軽油と同じエンジン制御では異常燃焼や窒素酸化物（ＮＯｘ）が多く出る問題があるため日立、デンヨーを含めた３社で解決に取り組んできた。