スーパーでアバターが商品自動推薦、富士通が開発した生成AI活用技術の中身
富士通は2日、消費者の店内行動データを基に、生成人工知能(AI)を活用してデジタルサイネージ(電子看板)上にアバター(分身)や販促コンテンツを生成する購買促進AI技術を開発したと発表した。一般社団法人リテールAI研究会の支援を得て、同技術を用いた自動接客の実証実験を丸久(山口県防府市)のスーパーマーケット「アルク三田尻店」(同)の実店舗で3日から始める。
実証実験の期間は10月15日まで。アバターによる商品自動推薦の効果や、商品の売り上げへの貢献などについて有効性を検証する。実証の成果を踏まえ、富士通のAIプラットフォーム(基盤)「Kozuchi(小槌=コヅチ)」を通じて、2023年度中に実用化する予定。
具体的には店内に設置するカメラ映像から、富士通独自の行動分析AI「アクトライザー」によって、来店者の行動パターンや購買特性を認識・分析し、その結果を基に適切なアバターがサイネージ上で接客する。接客時は顧客ごとにそれぞれ興味を持ちそうな商品を推奨し、生成AIを用いて事前作成した商品の推奨文をアバターが読み上げる。
アバターはAIで生成され、映像から認識した商品推薦の成否のデータを基に、より適切なアバターへと随時改善することで、以降の接客時に活用する。
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日刊工業新聞 2023年08月03日