富士通、東洋大学、兵庫県尼崎市は、人工知能（ＡＩ）と犯罪心理学を活用し、還付金詐欺などの特殊詐欺を未然に防ぐ日本初の共同研究を行う。３０、３１の両日に尼崎市の高齢者を対象に実証実験を行う。富士通のＡＩを活用したヒューマンセンシング技術、犯罪心理学に関する東洋大の研究成果を組み合わせ、２０２２年度中に高精度な特殊詐欺推定ＡＩモデルを開発する。

事前検証として　富士通と東洋大は兵庫県警察の協力を得て、特殊詐欺の音声から特殊詐欺特有のキーワードとパターンを分析し、現実味の高い特殊詐欺シナリオを事前に作成した。　

実証実験ではこのシナリオを基に高齢者に電話をかけ、事前に録音した特殊詐欺グループを装った音声を流す。カメラ映像から人の行動を認識する富士通の行動分析技術「アクトライザー」や、顔の表情から感情などを推定する表情認識ＡＩ、顔の画像からリアルタイムに脈拍を推定するＡＩを用いて、協力者の顔の表情や脈拍などのデータをカメラやセンサーで捉える。

実証実験で取得したデータの分析結果を踏まえ、特殊詐欺推定ＡＩモデルの有効性検証を用いて、２回目の実証実験を２２年度上半期に行う。