スバルがEV生産28年40万台、群馬・矢島工場の能力引き上げ
SUBARU(スバル)は、矢島工場(群馬県太田市)の電気自動車(EV)の年産能力を当初計画の10万台規模から2026年に20万台規模に引き上げると発表した。大泉工場(同大泉町)と合わせ、28年以降は40万台の生産能力とする。トヨタ自動車生産のスポーツ多目的車(SUV)タイプのEV「ソルテラ」のほか3車種のSUVを追加し、26年時点でEVのグローバル販売は20万台を目指す。
次期社長の大崎篤取締役専務執行役員は「市場の状況や規制の動きを総合的に考え、柔軟性を持って矢島工場の台数を引き上げた」と狙いを話す。当面は国内での生産体制を固め輸出をしていくが「米国での生産も検討する」(同)とした。
スバルは20年代半ばに矢島工場でEVとガソリン車を同じラインで製造する混流生産を開始し、27年以降に大泉工場の敷地内にEV専用工場を建設する計画を示している。中村知美社長は「群馬県の地場のサプライヤーとも情報共有は進めており、今後はより詳細な話をして一体で取り組む」とした。
通期予想、営業益3000億円
11日発表した24年3月期連結業績予想(国際会計基準)は、営業利益が前期比12・2%増の3000億円になる見通し。部材供給難や為替影響はあるものの米国を中心に販売の伸長を見込み、営業利益はコロナ禍前の水準を目指す。世界販売は同18・5%増の101万台を計画する。売上高は同11・3%増の4兆2000億円と過去最高になる見通しだ。
日刊工業新聞 2023年05月12日