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トヨタ系中堅部品メーカー6社は全社増収も、各社が注視する今後のリスク

トヨタ自動車系中堅部品メーカー6社が27日発表した2023年4―6月期連結決算は、全社が増収となり、大豊工業を除く5社の営業損益が改善した。主要顧客であるトヨタの生産回復や為替の円安効果、エネルギー・資材高騰分の価格転嫁などが業績を押し上げた。好調を受け東海理化フタバ産業が24年3月期の業績予想を上方修正した。

東海理化と愛三工業は売上高と全利益段階が、4―6月期として過去最高だった。東海理化の篭橋栄治収益改革本部長は「トヨタの日本生産が回復したほか、(利益率の高い)製品ミックスの改善が進んだ」と説明。愛三の加藤茂和執行役員は「デンソーからの燃料ポンプ事業譲受の効果が大きい」と話す。

東海理化は通期予想で売上高と全利益段階を上方修正した。販売増に伴い4―6月期で黒字転換したフタバ産業も、生産の上振れ基調を織り込み、通期予想を売上高と全利益段階で上方修正した。

中央発條ファインシンターの4―6月期は売り上げ回復と資材・光熱費の価格転嫁による損益改善効果がそれぞれ計約16億円、同5億円で、ともに営業赤字幅が縮小した。中央発條は生産回復に加え、ケーブル事業移管といった構造改革の成果が出始め、北米事業が3年半ぶりに黒字転換を達成。小出健太社長は「想定通りの進捗(しんちょく)。価格転嫁や原価改善効果で、23年4―9月期以降は(連結営業損益が)プラスに転じる」と見る。

大豊工業は製品不良や資材ロス、中国事業の不振などで営業減益だった。延川洋二執行役員は「生産回復はほぼ想定通り。通期目標を達成すべく努力している」と話す。

一方、各社が注視するのが中国市場だ。急速な電気自動車(EV)シフトで日系自動車メーカーの生産販売が軒並み落ちている。フタバ産業の大橋二三夫執行役員は「想定より1割減の状況だ。かなり心配している」と明かす。各社の業績はおおむね回復基調だが、今後のリスクとして懸念される。


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日刊工業新聞 2023年07月28日

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