作業時間30%削減…竹中工務店が四足歩行ロボの活用で得た効果
竹中工務店は建設現場での実測図作成にあたり、映像の撮影に米ボストン・ダイナミクス製の四足歩行ロボット「Spot」を用いることで作業時間を最大30%削減することに成功した。頭部に市販のカメラを搭載して指定のルートを自律巡回させたところ、階段や不整地でも障害物を避けながら、ブレや漏れのない映像を撮影できることを確認した。
同社と鉄建建設が手がける「JR新小岩駅南口駅ビル新築工事」で検証。実測図の作成用データとして利用でき、作業を効率化できることを確認した。竹中工務店はこれまで、施工管理業務の省力化を目的に建設現場でのSpot導入に取り組んできた。すでに効果が確認されているSpotの活用例としては、「現場巡回」と「施工状況の遠隔確認・記録」、「軽量資材の運搬」に次ぐ4例目となる。
鉄道関連施設や新築後も繰り返し改修・改築工事を行ってきた施設では、工事のたびに過去の改修・改築をすべて反映した現況の実測図を作成する必要がある。ただ、そのための映像撮影は技術者が行うのが一般的で、映像がブレたり撮影漏れが発生する課題があった。結果として撮り直す例もあり、現場の負担になっていた。
日刊工業新聞 2023年月8月1日