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鹿島・竹中・清水・大林組に大成も連携した…ゼネコン〝協調〟技術開発が新段階

鹿島・竹中・清水・大林組に大成も連携した…ゼネコン〝協調〟技術開発が新段階

地上の現場事務所に設けた運転席からの遠隔操作を可能にした(タワークレーンの遠隔操作システム)

ゼネコン各社が互いの知見を持ち寄り、一体で取り組む“協調領域”の技術開発が第2段階に入った。けん引するのは、施工ロボットやIoT(モノのインターネット)技術を使った施工支援ツールの実装を目指す「建設RXコンソーシアム」(村上陸太会長=竹中工務店常務執行役員)だ。このほど大成建設が参画し、大手5社が集結。ゼネコン29社と建設機械レンタルや設備工事、通信など184社が集う一大勢力となった。

「本当にうれしい。コンソーシアムの基盤を作るという責務を全うできた」。同コンソーシアムの初代会長を務め、6月に顧問に就いた鹿島の伊藤仁常任顧問は、入会要件である「自社で技術開発拠点を持つゼネコン」の大半がそろった現状をこう表現した。協力会員を含む会員数は、日本建設業連合会を上回る。国土交通省に求められた「“建設業界の総意”といえる体制」も整った格好だ。

ゼネコンの技術開発には、各社が差別化する競争領域と協働する協調領域がある。このうち、同コンソーシアムが担うのが協調領域の開発だ。施工段階で不可欠なロボット技術やアプリケーションの新規開発と改良・実用化に加え、こうした成果の普及に向けた共同利用と情報発信を活動の軸と位置付ける。業界を横断した活用が、課題解決やもう一段の技術開発につながるとの考えを示す。

ゼネコン各社が進めるロボット開発の情報収集・環境整備を担う日建連が、このほど外部との協力体制を強化する姿勢を打ち出したことも追い風だ。同コンソーシアムについても「完工高の大きいゼネコンが多い強みがある。しっかり役割分担できれば」(日建連)と期待感は大きい。かつて「ややインパクトに欠ける組織」との評価もあった同コンソーシアムの存在感は、一気に高まっている。

同コンソーシアムは2021年9月にゼネコン16社で発足した。鹿島と竹中工務店による技術連携に、清水建設が参画した枠組みを前身とする。掲げる目標は、ゼネコン各社が同じようなロボットやアプリをそれぞれ開発するという効率の悪さと、コスト負担の低減だ。協力会社(下請け)に対しても、元請けごとに異なるロボットやアプリを習得させる無駄を省く効果を見込む。

足元では11テーマで分科会を設け、資材の自動搬送システムやタワークレーンの遠隔操作、照度・風量測定ロボットにコンクリート施工の効率化などの技術開発に挑んでいる。タワークレーンのように、すでに実際の建設現場に導入し会員間の相互利用にこぎ着けたものも出てきている。いずれも技術者・技能労働者の人手不足や働き方改革といった、建設現場の課題解消を後押しする成果だ。

日刊工業新聞 2023年06月28日

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