ニコン・トリンブルが拡販する、「4足歩行ロボット」の魅力
ニコン・トリンブル(東京都大田区、丹沢孝社長)は、建設現場の測量・測位ソリューションの有力ツールとして、米ボストン・ダイナミクス製の自律4足歩行ロボット(写真)を拡販する。同ロボにニコン・トリンブルの3次元(3D)レーザースキャナー「X7」を搭載。高い場所に登ったり、後進や横歩きしたりできる自律4足歩行ロボの長所と相まって、建設現場のリアルタイムな点群計測や現況分析速度を飛躍的に高められる。中堅・中小や、地方の建設会社へアピールする。
ニコン・トリンブルは2021年10月に、ボストンの4足歩行ロボットの日本での正規販売代理店になった。前進・後進、横歩きや段差昇降が自在にできる同ロボに測量計測センサーを組み合わせて、建設現場のデジタル変革(DX)を推進する。
X7は時間のかかる合成作業まで現場で完結できる、クラウド対応の3Dレーザースキャニングシステム。ソフトウエアで建設図面とスキャンデータを直感的に操作、管理し、現場の状況を素早くパノラマ撮影できる。
建物・建設情報を3Dモデル化するビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)データが読み込み可能で、増築部の3Dモデルに合わせて現況をスキャンし、現場の点群データを照合して工事の完成イメージとの比較が容易。工事責任者は工事の進み具合や現場の状況を一目で確認できる。
現場の状況把握に必要なデータの取得は人がスキャニングシステムを設置して行うケースが主体で、設置作業時間が長くかかっていた。また、自動化したくてもロボットの場合は日ごとに変わる環境設定や現場での移動性に難があった。4足歩行ロボの活用でこうした課題の解決を目指す。
日刊工業新聞 2022年4月6日