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日本製鋼所が100億円投資、プラスチック機械の新工場など

日本製鋼所が100億円投資、プラスチック機械の新工場など

新工場などを建設して広島製作所の生産能力を高める

日本製鋼所はプラスチック機械の新工場や部品倉庫を広島製作所(広島市安芸区)に相次ぎ新設する。総投資額は100億円超とみられる。原料のペレットを製造する造粒機、フィルム・シート製造装置の各組立工場に加え、自動車部品などを製造する射出成形機の部品倉庫を建設。各種機械の部品加工工場も新設する。電気自動車(EV)向け部品などの需要拡大に対応し、2026年3月ごろまでに順次稼働する。

日本製鋼所はプラスチック製造・加工の上流から下流までの各種機械を総合展開しており広島製作所で生産する。9月には射出成形機の部品倉庫を稼働する。既存工場に点在する部品を集約して生産を効率化し、生産能力を約2割増の年間3000台に高める。投資額は約18億円。

25年1月には造粒機などの組立工場を稼働。造粒機の生産能力を現状の同10―15台から同20台に引き上げる。EV搭載のリチウムイオン電池(LiB)のセパレーターフィルム向けのフィルム・シート製造装置では最終工程の巻き取り機の生産能力を約5割増の同30台に高める。投資額は約29億円。

部品加工の新工場は26年3月に完成予定。部品加工の内製比率を高め、各種機械の生産性向上につなげる。工作機械約20台やロボット、無人フォークリフトを導入し、省人化を図る。投資額は数十億円を見込む。各種機械のアフターサービス需要に対応するため、交換用部品の加工工場を28年度までに新設することも検討する。

プラスチック機械の主要機である射出成形機は足元で需要低迷が続く。日本産業機械工業会(産機工)などがまとめた6月の射出成形機受注実績は、前年同月比35・4%減の818台で8カ月連続の減少となった。一方で、自動車向けが多い超大型機が大幅に伸びるなど、EVシフトで需要は持ち直し機運がみられる。

日刊工業新聞 2023年月8月1日

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