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世界最大3000トンの型締め力、日本製鋼所が超大型射出機を投入した狙い

日本製鋼所は型締め力が3000トンの超大型マグネシウム射出成形機「JLM3000―MGⅡeL=写真」を発売した。従来品は同1300トンで、今回の商品は世界最大としている。マグネシウム合金は軽量の優位性がある。電気自動車(EV)化や車載ディスプレーの大型化が進む中、顧客である自動車メーカーなどからより大型の射出成形機を求める声が強まっていた。本体価格(消費税抜き)は4億―5億円程度。年間10台程度の販売を目指す。

新型機はチクソモールド法マグネシウム射出成形機において、電動型締め装置を初めて採用。油圧型締めに比べて消費電力を約2割低減した。

シリンダーやスクリューサイズの一層の大口径化を図り、最大ショット重量は5キログラム以上を確保。溶解炉や防燃ガスが要らず環境に優しい工法であるチクソモールド法を使って、大型マグネシウム部品の成形が行える。

車載ディスプレーについてはデジタルコンテンツ容量の増加に伴い、大型化や搭載枚数の増加が進んでいる。チクソモールド法で生産するマグネシウム合金成形部品は、車載ディスプレー向けのフレームやサポートで使われている。

日刊工業新聞 2023年01月11日

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