受注減の底見えず…射出成形機受注が6カ月連続マイナス
日本産業機械工業会(産機工)と日本プラスチック機械工業会がまとめた4月の射出成形機受注台数は、前年同月比45・2%減の702台となり、6カ月続いてマイナスだった。数字自体も3月の同37・6%減、853台より一段と悪化した。型締め力数十トンの超小型機種から1000トン以上の超大型機種まで全てが前年同月を下回り、底が見えない状態。輸出向けは同53・4%減の436台と半分以下になり、国内向けは同20・1%減の266台だった。
半分以下になった輸出は主要市場の米国、中国、欧州とも落ち込み状態。ただ一部のメーカーからは、「米国は自動車向けで改善の兆しが見られる」という声も聞かれる。自動車大手の増産の足かせとなっていた半導体不足が解消し、正常化に向かいつつあるのが背景と見られ、電気自動車(EV)関連や車載電子部品の需要もある。一方で住宅関係や日用品、医療品向けは金利高止まりや物価上昇もあり、低迷が続いている。
中国もほぼ同じ状態となっている。ゼロコロナ政策の撤廃や感染者数の落ち着きにより、PCR検査キットなどの需要が剝落した。国内は輸出に比べるとマイナス幅は小さいが、落ち込みは依然続いている。
別の大手メーカーも「正式注文には至っていないものの、EVや環境関連で電気式射出成形機への引き合いは強い」と話す。自動車向けを軸に、回復のきっかけ待ちという情勢だ。
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日刊工業新聞 2023年月5月16日