乗用車メーカー８社の２０２３年上期（１―６月）の生産・販売・輸出実績によると、８社合計の世界生産台数は前年同期比８・５％増の１２５４万８７０７台だった。国内販売は同１８・０％増の２２５万２３２７台。世界生産と国内販売はそれぞれ、前年同期を上回るのは２年ぶり。前年にあった新型コロナウイルス感染拡大や半導体不足のマイナス影響が改善した。一方、中国事業を持つ各社は現地の生産や販売が前年を下回った。

上期の世界生産は８社全てが前年同期を上回った。トヨタ自動車はコロナ禍からの回復と半導体不足の緩和に加えて、生産能力が向上し、上期の世界生産が過去最高の４８９万３７７１台（前年同期比１２・１％増）。１９年上期の最高値を更新し、コロナ禍前の水準を上回った。

６月単月の８社合計の世界生産は前年同月比３・６％増の２２０万４０１８台で、５カ月連続で前年同月を上回った。

上期の国内販売はホンダを除く７社が前年同期を上回った。ホンダは部品供給不足の影響が残り前年同期比３・０％減で、２年連続の前年割れ。トヨタは前年の部品供給不足や中国・上海のロックダウン（都市封鎖）の影響が減った反動で同３３・２％増だった。

一方、上期の中国事業は、各社が生産や販売を落とした。日産自動車は中国生産が同２５・２％減、販売は同２４・４％減。ホンダは生産が同１２・３％減、販売が同２２・０％減。三菱自動車は生産が同７８・２％減、販売が同３７・２％減。マツダは生産が同４７・５％減、販売が同４６・７％減。トヨタは生産が同７・６％減、販売が同２・８％減だった。

中国市場の電動車シフトや価格競争の激化、年初のコロナ禍影響、新排ガス規制に対応した生産調整など、複数の要因があった。各社の世界生産・販売はコロナ禍や半導体不足の影響が少なくなり、回復傾向にあるものの、中国事業の不調が影を落とす形となっている。