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回復する乗用車メーカー8社の世界生産、マツダ2.2倍増をけん引した車種

乗用車メーカー8社が発表した4月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比14・5%増の190万539台と、3カ月連続で前年同月を上回った。前年に半導体不足や中国・上海のロックダウン(都市封鎖)などで各社が生産を減らした反動が大きい。

スズキとダイハツを除く6社が前年同月を上回った。マツダは国内で前年同月に中国のロックダウンによる工場操業停止があった反動で生産が増えたほか、22年3月と12月に販売が始まった「CX―60」と「CX―90」が加わって、世界生産は同2・2倍。日産自動車も前年の中国ロックダウンや半導体不足の反動と、「セレナ」「エクストレイル」といった新型の生産増により国内生産が同2倍に伸びた。日産とマツダ、SUBARUは3カ月連続、ホンダ三菱自動車は2カ月連続で世界生産が前年同月を上回った。

トヨタ自動車の世界生産は4カ月連続で前年同月を上回った。地域別では中国を除くアジアで前年同月を下回ったものの、前年の半導体不足や中国ロックダウンの反動で北米、欧州、日本、中国は前年同月を上回った。

一方、スズキの世界生産は同6・4%減で3カ月連続の減少。半導体不足のインド、政府の外貨不足による輸入規制の影響があったパキスタンで生産が減った。ダイハツ工業は国内で半導体不足による生産調整があり、海外はインドネシアとマレーシアで休日が重なって生産が減少。世界生産は同21・8%減と11カ月ぶりに前年同月を下回った。

中国ロックダウンの影響がなくなり、各社の生産は前年同期を上回る基調だが、半導体不足の影響はいまだに拭いきれず、各社の生産計画に不透明感を残している。

日刊工業新聞 2023年05月31日

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