トヨタは過去最高、世界生産に回復傾向はっきり
乗用車メーカー8社が29日発表した5月の生産・販売・輸出実績によると、8社合計の世界生産台数は前年同月比28・0%増の207万5245台と4カ月連続で前年同月を上回った。半導体不足の影響が改善していることや、前年の中国・上海のロックダウン(都市封鎖)の影響がなくなったことが大きい。2022年9月以来、8カ月ぶりに8社すべての世界生産が前年同月を上回り、回復傾向がはっきりしてきた。
トヨタ自動車の世界生産は半導体不足の改善や堅調な需要に応じて各地で生産能力を向上したことなどで、同33・4%増の84万7000台と過去最高になった。前年同月を上回るのは5カ月連続。
日産自動車は同18・5%増で前年同月比増加は4カ月連続、ホンダは同34・7%増で前年同月比増加は3カ月連続となった。一方、スズキはインドの生産が増えたことなどで4カ月ぶりに世界生産が前年同月を上回った。ダイハツ工業は国内・海外ともに増えて、2カ月ぶりに前年同月比増加となった。
国内生産、海外生産、国内販売は8社すべてが、輸出はスズキを除く6社(ダイハツは輸出なし)が前年同月比で増えた。中国のロックダウン影響がなくなったことに加え、半導体不足は影響が残るものの改善が進んでおり、各社の生産・販売の状態は上向いている。今後は回復傾向の定着が注視される。
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日刊工業新聞 2023年06月30日