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フィルター端材をランタンに、トヨタ紡織が示す期待と意欲

フィルター端材をランタンに、トヨタ紡織が示す期待と意欲

作品を並べてフィルターから漏れる光を観賞した

フィルターの端材をランタンに―。トヨタ紡織が生産工程で生じた端材を再利用する取り組みを拡大している。これまでシートの切れ端からクッションや財布をつくり出していたが、同社の刈谷工場(愛知県刈谷市)で製造するフィルターの端材にも着目。発光ダイオード(LED)ライトと組み合わせることで優しい光を放つランタンに仕立てた。歩留まりを高めてもゼロにはならない端材に、新たな価値を付加する活動が加速している。(名古屋・川口拓洋)

トヨタ紡織では車のエアコンに搭載し、ホコリや花粉、排ガスの臭いを除去・吸着する「キャビンエアフィルター」などを手がけている。同フィルターは強度の高い和紙のような質感で蛇腹の形状が特徴。ねじったり丸めたりして形を作り、内部に光をともすことでランプシェード(かさ)のように淡い光を拡散させる。

地域交流イベントでランタンを作る来場者ら

22日、同社の猿投工場(愛知県豊田市)で開催した地域交流イベント「サマーフェスティバル」で、来場者を対象に参加型講習会を開催。約140人が参加し、フィルターをランタンに生まれ変わらせた。夕刻には来場者が作製した作品を並べ、フィルターから漏れる光を観賞した。

「シートがメーンの当社では、フィルター事業を知らない人もいる」と話すのは、同社デザイン部の安田仁司部長。同イベントを契機にフィルターの認知度向上も期待する。「反響が良ければ続けていきたい」(安田部長)と意欲を示す。通常は廃棄されるだけの端材だが、工夫次第で大きな魅力や価値につながりそうだ。


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日刊工業新聞 2023年月7月25日

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