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走行中に毎秒500回、タイヤ変形を追跡撮影する技術でできること

走行中に毎秒500回、タイヤ変形を追跡撮影する技術でできること

バンプに乗り上げる瞬間のタイヤ変形挙動(広島大提供)

広島大学の緒方琢人大学院生と島﨑航平助教、石井抱教授らは、走行中のタイヤの変形を高速ズームトラッキング撮影する技術を開発した。毎秒500回撮像する高速カメラでタイヤを撮影する。ガルバノミラーで対象を追いかけるため撮影範囲が広い。実際の走行環境で変形がタイヤを伝わる様子を評価できる。走行性能や安全性評価に提案していく。

高速カメラで走行中のタイヤをズーム撮影する。ズームすると撮像範囲が狭くなるため、ガルバノミラーで撮影方向を回転させてタイヤを追跡する。首振りの角度は40度。タイヤの変形はシールをタイヤに貼って座標を求めた。タイヤの中心からの距離と、その変化速度を可視化する。

電動立ち乗り2輪車が段差を乗り上げ着地する様子を撮影した。5・8メートル先を時速12キロメートルで通過する。画素数は720×540の40万画素と小さいが、ズームすると1画素が0・4ミリメートルに相当する。

実験では変形が伝わる様子を可視化できた。乗り上げた瞬間に段差との接触部分が大きくへこみ、その反対側は広く膨らむ。この振動を解析するとタイヤの衝撃吸収性能などを評価できる。

高速カメラは撮像速度を上げると画素数を減らす必要があった。分解能を確保するためにズームすると視野が狭くなり、移動車両を捉えられなくなる。そのためトレッドミルのような定位置で走る試験環境で評価されている。研究では電動立ち乗り2輪車を用いたが自動車の実走行車両評価に提案していく。

日刊工業新聞 2023年07月21日

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