CO2排出量ゼロ、積水ハウスの「水素住宅」がすごい
積水ハウスは自宅で水素を製造して電力を自給自足できる業界初となる「水素住宅」の実証実験を始めた。同社の総合住宅研究所(京都府木津川市)で実施。水素吸蔵合金を使ったタンクを活用し、自宅の太陽光発電パネルで発電した電力を水素に変えて貯蔵する。水素社会の実現を見据えて課題を整理し、2025年夏の実用化を目指す。
日中は太陽光発電パネルで発電した電力を消費。その余剰電力で水を電気分解して水素を製造し、水素吸蔵合金タンクで貯蔵する。雨天時など太陽光発電を利用できない場合は、貯蔵した水素を使い燃料電池で発電する。
運用時の二酸化炭素(CO2)排出量はゼロという。将来的には水素の直接燃焼技術の利用も視野に入れる。
水素吸蔵合金は、水素を吸収・放出できる合金。気体状態よりも体積を大幅に圧縮して貯蔵でき、漏えいの危険性も低いのが特徴だ。今回の実証では、住宅用にカスタマイズしたタンクを使う。
日刊工業新聞 2023年月7月18日