ニュースイッチ

重さ3分の1以下…王子HD・清水建設が共同開発「紙製吸音シリンダー」、中央道トンネル工事に採用

重さ3分の1以下…王子HD・清水建設が共同開発「紙製吸音シリンダー」、中央道トンネル工事に採用

王子HDと清水建設が共同開発した紙製吸音シリンダー

王子ホールディングス(HD)が清水建設と共同開発した紙製吸音シリンダーが、中央自動車道新小仏トンネル工事に採用された。一般的な木材製吸音装置は1本当たり重量が約60キログラムだが、紙製は3分の1以下の約17キログラムと軽く、作業負荷を低減できる。古紙原料を使用しており、工事完了後も段ボール原紙などに再利用できる。

同工事は中日本高速道路(NEXCO中日本)が発注し、清水建設と東亜建設工業の共同企業体が施工する。トンネル工事の発破掘削では100デシベルを超す大きな騒音が生じるため、低減策として木材製の吸音装置を数百台規模で設置している。

木材製は職人1人当たり1日4台設置されるが、現場での組み立てが必要。紙製なら工場から納品するため工数を大幅に削減できる。

王子HDと清水建設は紙素材を活用した仮設資材「カミワザ」を開発。今回もその取り組みの一環で、2019年のトンネル風門での採用以降、累計10件程度採用された。

日刊工業新聞 2023年06月30日

編集部のおすすめ