シャープの株主総会…赤字要因「SDP子会社化」で厳しい質問、回答は?
シャープは27日、堺市堺区の本社で定時株主総会を開いた。2023年3月期連結決算は当期損益2608億円の赤字。主力のディスプレーの市況が悪化したのが主な要因で、テレビなど向けの大型液晶パネル関連を中心とする堺ディスプレイプロダクト(SDP、堺市堺区)の連結が裏目となり減損損失が発生した。そのため、SDP子会社化について株主から質問が相次いだ。
参加者は160人で所要時間は98分。株主からは「SDPは昨年の株主総会で懸念が出ていた」「子会社化までの手続きが不明瞭なのではないか。方法的に問題がなくても経営判断は間違っていたのではないか」と質問があった。
呉柏勲社長執行役員兼最高経営責任者(CEO)は「外部の専門家の意見も取り入れながら会社のプロセスに基づいて取締役会で決定した。当時の市場情勢からすると不合理ではない」と強調。「市場に応じて当初の計画を修正して現状に応じた計画を作っている」と理解を求めた。
具体的には「収益の大きい市場への転換に取り組む」(呉社長兼CEO)とした。株主総会後に行った事業説明会では、ディスプレーデバイス事業で既存事業の選択・集中と、新規ビジネスの創出・事業化を掲げた。
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日刊工業新聞 2023年06月28日