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JR東海、リニア着工渋る静岡に「ひかり」増便提示 株主「静岡への思いやりが足りない」

【名古屋】JR東海は名古屋市内で開いた株主総会(写真)で、同社のリニア中央新幹線建設計画をめぐり、工事着工を認めない静岡県に対し、宇野護副社長らは「東海道新幹線の『ひかり』を増やす余地がある」とリニア開業のメリットを示した。

ひかりは現在、静岡県内では静岡駅、浜松駅、熱海駅、三島駅に停車する。今回のひかり増便の提案については株主から「静岡への思いやりが足りない」との声があり、リニアの駅を設けたり、東海道新幹線「のぞみ」の停車を求めたりする意見があった。

リニア工事の静岡工区について静岡県は着工を認めておらず「2027年の開業は難しい状況」(宇野副社長)にある。工事費は当初の予想から約1兆5000億円増の約7兆400億円となる見通しだが「資金は確保できる」(同)と主張する。所要時間は1時間36分、出席した株主は377人だった。

日刊工業新聞 2023年06月26日

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