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東洋機械金属が射出成形機の新工場、EV向け需要に対応

東洋機械金属が射出成形機の新工場、EV向け需要に対応

本社工場の中型ダイカストマシンの組み立て工程

東洋機械金属は兵庫県内に国内2拠点目となる新工場を建設する。投資額は約10億円。電気自動車(EV)など電動化の進展で拡大している自動車業界向けの需要に対応する。年内にも土地を取得し、2022年4月の稼働を目指す。主力の射出成形機とダイカストマシンの生産で、組み立てや出荷前検査など本社工場(兵庫県明石市)を補完。国内拠点の月産台数を現状の約130台から24年3月期までに約160台に引き上げる。

新工場により型締め力1000トン級の中型機の生産体制を強化する。本社を置く兵庫県明石市近辺で敷地面積1000平方メートル程度の土地取得を交渉中。本社工場で生産した部材を新工場で組み立てるなど新体制を構築し、中型機を増産する。

これまで自動車業界では、エンジン部品などの成形で大型の射出成形機やダイカストマシンが必要とされた。近年は電動化の進展で、モーターや電子制御ユニット(ECU)の外装、センサー機器などの成形に、1000トン級の中型機のニーズが増加している。

このため大型機を手がけていない東洋機械金属にも受注機会が広がっているという。現状、同社の主力工場は本社工場と中国・常熟工場(江蘇省)の2拠点。常熟工場は中国市場向けの汎用機が中心なため、国内での生産体制強化を決めた。

同社は中期経営計画で24年3月期に売上高350億円(21年3月期比40・7%増)を目標に掲げる。

射出成形機では欧州の現地社員を2倍の約80人に増員し、営業力を強化。ダイカストマシンでは21年中に米国の販売代理店と新たに契約し、米国やメキシコでのサポート体制を強化する。グローバルの営業力強化に合わせ、日本国内の生産体制も見直す。

日刊工業新聞2021年6月21日

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