「精密減速機」「油圧機器」の枠超えろ、ナブテスコが社内ビジコンで醸成したいモノ
ナブテスコは、社内公募を通じて新規事業を創出する取り組みを前進させる。社員にアイデアを募り、内容を審査して事業化を検討する。2022年12月期下期の立ち上げ後21件の応募があり、1次審査で9件に絞った。7月に2次審査を実施し、事業化の可否を決める予定。精密減速機や油圧機器など既存事業の枠を超えた起業家精神を醸成することを目指す。
これとは別に、事業部の新たな取り組みの支援制度も始めた。支援を決めた7件に対して、事業部の予算とは別枠の予算を提供する。
ナブテスコは中大型産業用ロボットの関節用途の精密減速機の世界シェアが約60%に達するなど、産業用部品メーカーとして地位を確立している。これらの事業が安定している反面、新規事業が生まれにくい状況にある。
2次審査に進む9件の応募者・チームには、経営企画部の社員がアクセラレーターとして応募内容をブラッシュアップすることを支援する。2次審査はビジネスコンテスト形式で、約200人の前でプレゼンする。社員の投票結果を参考に、事業化するか決める。事業化する場合、別会社化することも視野に入れる。一連の取り組みにより、社内にイノベーションの機運を高める効果を見込む。
事業部への支援制度は22年12月期の下期に7件を採択した。テーマは技術開発が中心で、生産現場の案件もあった。通常の予算とは別枠の予算を設けることで、意欲的な取り組みを支援し、事業部への還元や長期的な企業価値向上につなげる狙い。
日刊工業新聞 2023年月4月25日