洋上風力普及へ、JMUが「浮体式風車」で新工法
ジャパンマリンユナイテッド(JMU、横浜市西区、灘信之社長)は日本シップヤード(東京都千代田区)、東亜建設工業と、浮体式洋上風力発電向けに、基地港で浮体式基礎に大型風車を搭載するための改造について、日本海事協会から基本設計承認(AiP)を取得した。基地港の選択肢を広げ、浮体式洋上風力の普及に貢献することが期待される。
洋上風力では着床式が主流で、浮体式は実証段階にある。JMUが開発したセミサブ型浮体基礎は、曳航喫水が非常に浅いという特徴があるため、波浪や潮流の影響がほぼない基地港に運んで風車を搭載できる利点がある。しかし現在は港湾側のインフラが未整備のため、出力1万2000キロワット以上の大型風車を搭載するには、国内にない大型クレーンを調達する必要がある。
そこで今回、JMUが建造中の中型の自己昇降式作業船(SEP船、1250トンクレーン装備)を改造して背の高いクレーンとして使用し、インフラが整っていない港湾でも大型風車を搭載できる工法を研究開発した。この改造設計に関してAiPを取得した。
日刊工業新聞 2023年04月20日