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CT×顕微鏡で成功、がん腫瘍の「硬さ」カラー画像化の効果

オスティーラボ(福島県郡山市、尾股定夫代表)は硬さや柔らかさを検知する超音波ハプティック顕微鏡(写真)を、コンピューター断層撮影装置(CT)に組み込んでがん腫瘍などの弾性率(硬さや柔らかさ)をカラー画像で示すことに成功した。腫瘍の硬さ、柔らかさは医師が手術の可否や難易度を判断する重要な情報となる。切開せずに硬さが分かり、患者に負担がかからない。CTと組み合わせたシステムとして実用化を目指す。

超音波ハプティック顕微鏡は尾股代表が日本大学工学部教授の在任時に開発。2010年に日刊工業新聞社のモノづくり連携大賞を受賞した。超音波センサー素子で細胞や微少物体の弾性率をマイクロレベルで計測が可能。国内外で数件の実用例があり、血管や細胞、臓器の弾性率の評価解析で大学などの研究者が活用している。

ハプティック顕微鏡の測定データと、CTでの測定時に生体組織の小さな単位容積内の物資によるX線の吸収値を測定した「CT値」に相関関係があることを見いだし、腫瘍の弾性率をカラー画像で示すことに成功した。腫瘍の硬さによりがん腫瘍の進行度合いなどを把握することで、がんの早期発見につながる可能性もある。

日刊工業新聞 2023年04月19日

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