アイシンが「軽自動車向け部品」をシロキに移管する狙い
アイシンは国内で軽自動車向け車体部品事業を子会社のシロキ工業(愛知県豊川市)に移管する。シロキは窓昇降装置など自動車用内外装部品を手がけ、スズキやダイハツ工業など軽自動車メーカーの近隣に拠点を構える。電動化対応を加速するアイシンと、生産に特化したシロキで車体事業における役割を明確化し、経営の効率化を図る。早ければ2024―25年にも、軽自動車向けの主要部品の移管完了を目指す。
アイシンからシロキへ一部車体部品の移管を始めており、23年内にアイシンの軽自動車向けパワースライドドア部品をシロキの大阪工場(大阪府茨木市)に、ドアロックは同社の豊川工場(愛知県豊川市)に移す。シロキの豊川工場はスズキ、同大阪工場はダイハツ向けの窓口とする。
顧客により近い拠点で生産することで、きめ細かくニーズを取り込むほか、輸送時の物流費や二酸化炭素(CO2)排出量の削減も期待できる。
シロキは22年度に開発や営業機能をアイシンと統合した。23年4月には社名をアイシンシロキに変更するなどグループの一体運営を加速している。今後、主力生産製品である窓昇降装置やドアサッシに加え、軽自動車向けの多様な製品の生産も担う見込み。
トヨタ自動車は18年以降、グループ内で重複する事業を、その領域を強みとする企業に集約する「ホーム&アウェー」を進める。
アイシングループではアイシンやシロキが、トヨタ向けの自動車シート骨格部品事業をトヨタ紡織に移している。シート部品を手がけるシロキの名古屋工場(同豊田市)はトヨタ紡織へ譲渡し、4月からトヨタ紡織広瀬になるなど事業の再編が加速している。
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日刊工業新聞 2023年03月28日