ロボットに「人の手」の感覚を!、キヤノンの力覚センサーがスゴい
キヤノンは、ロボットアームなどに搭載することで人の手のような感覚を持たせることができる薄型・軽量・高精度の力覚センサー「FH―300―20」を4月中旬に発売する。物を動かす際の荷重や、回転させる力の大きさ・方向を測定できる。消費税抜きの想定価格は約20万円で、数年後には数百台の販売を目指す。生産現場における自動化ニーズが高まる中、作業の自動化を推進する。
FH―300―20は、キヤノンが開発した光学式エンコーダーを搭載する。複数のエンコーダーを同一の電気基板上に配置することで、厚さ約20ミリメートル、直径約88ミリメートル、重さ約250グラムの薄型・軽量を実現。微細な力加減を必要とするロボットアームなどに使用できる。また独自のアルゴリズム(計算手順)により、ロボットアームシステムからの計測要求に約300マイクロ秒(マイクロは100万分の1)で応答可能。
力覚センサーをロボットアームに搭載することで、歯車のはめ込みや部品の挿入・研磨、荷物の重量計測作業で、物と接触した力などを測定できる。キヤノンは介護ロボットに加え、マッサージシステムなどのヘルスケア市場での活用を見込む。
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日刊工業新聞 2023年03月21日