年7本ペース、キヤノンがミラーレス用レンズの投入を続ける狙い
キヤノンはミラーレスカメラ用レンズ「RFレンズ」の品ぞろえを拡充する。RFレンズは7日時点で33本を発売済み。近年、年間で7―8本を発売しており、「このぐらいのペースを維持したい」(戸倉剛常務執行役員イメージンググループ副管掌)考えだ。
戸倉常務執行役員はRFレンズについて「基本的なラインアップは構成できた」と認識する。ただ一眼レフ用の「EFレンズ」は、ミラーレス用システム「EOS Rシステム」の立ち上げ以前に70本以上を展開していた。足元で発売済みのRFレンズの本数はEFレンズの約半分にとどまっており、ミラーレス拡販のためにもレンズの品ぞろえ充実が求められる。
キヤノンはミラーレスについて、初心者向けモデルの拡充などを通じて利用者の裾野を広げる方針を示してきた。3月下旬には、小型・軽量の「EOS R50」を発売予定だ。戸倉常務執行役員は「ミラーレスに開発のリソース(資源)を一番投入している」と強調する。
カメラ映像機器工業会(CIPA)によると、22年のミラーレスの総出荷額は前年比61・3%増の5234億円。レンズ交換式カメラの総出荷額の約85・8%を占める。
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日刊工業新聞 2023年3月9日