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パーパス開示で異動先選択、SOMPOひまわり生命保険が新人事制度

SOMPOひまわり生命保険は4月、社員が自身の人生の目標や働く意義といった「MYパーパス」に基づいて異動できる人事制度を始める。社員は人事管理システムに開示したMYパーパスや技能、経験などを社内の各部署の責任者に見てもらい、共感を得ると異動のオファーを直接受けられる。オファーを出した部署の責任者と面談し、MYパーパスを実現するための説明などを受けた上で異動先を選択できる。MYパーパスを基に自律的にキャリアを形成してもらうことで社員のモチベーションや生産性の向上につなげる。

新たに始める人事施策は「ひまわりMYパーパスキャリア制度」。社員は「MYパーパス」「スキル」「経験・経歴」「実績」を開示するとMYパーパスに共感した部署からオファーを受けられる。MYパーパスを基にオファーを受け、異動先を選択できる制度は業界初という。「会社の存在意義であるパーパスと社員自身のパーパスの重なり、共感を増やすことで互いの成長を実現する」(同社人財開発部人事グループの平田啓輔課長代理)ことが狙いだ。

これまでは会社主導による定期的なジョブローテーション以外にも、ポストを社員に開示して応募してもらう社内公募制度を導入していたが、異動できるのは年20―30人程度にとどまっていた。人財開発部の邨(むら)上英彰部長は「社員に自律的なキャリア形成を実現してもらうには制度がまだ不十分だと感じていた」と新制度導入の背景を話す。

既に、4月1日付で異動できるように面談を実施。初年度は、入社して5年が経ち、現在の部署に在籍して2年以上となる社員に絞った。20―30人程度の異動を見込む。

邨上部長は「たとえオファーがなくても何が足りなかったのか考え、自己成長につなげてほしい」と期待する。将来は「自律的なキャリア形成ができる新制度と社内公募制度で、異動の半数以を占めたい」(邨上部長)と力を込める。

日刊工業新聞 2023年02月14日

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