パナソニックエナジーが都心に首都圏初のオフィスを構える狙い
パナソニックエナジーは2023年4月、東京都心に関東初のオフィスを設ける。同社拠点は関西に偏重し、これまで首都圏に拠点がなかった。専門性の高い人材獲得に加え、働く場所の選択肢を増やして社員が能動的に働き方を選べるようにする。営業や法務、システム部門などが中心となり、大阪本社勤務者も業務に支障がなければ異動が可能。希望して異動した場合も処遇の変更はない。120人程度の勤務が可能なオフィスとする。
パナソニックグループでは、家電などを手がけるパナソニックやサプライチェーン(供給網)管理ソフトウエアなどを手がけるパナソニックコネクトが東京・汐留エリアに本社を構えている。パナエナジーの新オフィスも同エリアに設けるが、大阪府守口市の本社は移転しない。新オフィスにより企業法務やソフトウエア人材など首都圏の豊富な人材獲得につなげるほか、東日本地域の顧客利便性も高める。
同社では就業場所の選択肢を増やし、個人のライフプランに基づいて就業場所を選ぶことでパフォーマンスを最大化し、将来的な事業基盤強化につなげる狙い。只信一生社長は「転勤ではなく働く場所を自分で決める。関東にオフィスがないというのは従業員の働き方そのものの進化ができない」と強調する。
さらに今後は「人事制度や会社のルールも変える」(只信社長)ことで、在宅ワークを前提にした働き方や単身赴任が解消できるような就業場所の選定など複数のオプションを用意する。詳細は今後詰めるが、働き方改革に応じて評価制度も変える考えだ。
日刊工業新聞 2022年12月16日