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トヨタ「レクサスRX」用部品で採用、アルミと超ハイテン接合する締結部品の提案加速

新城製作所が“マルチマテリアル”化の需要捉える
トヨタ「レクサスRX」用部品で採用、アルミと超ハイテン接合する締結部品の提案加速

新城製作所が国内で製造を予定する「Flowform Plus」

新城製作所(大阪府岸和田市、新城功社長)は2024年年初にも、片方向からのねじ込みで、アルミニウムと超高張力鋼板(超ハイテン材)を接合できる締結部品「Flowform Plus(フローフォームプラス)」の製造を始める。22年から国産高級車向け部品に採用されているフローフォームとともに、自動車ボディーの軽量化と高強度化で異種材料を使いこなす“マルチマテリアル”化の需要を捉えて、提案を加速させる。

フローフォームプラスは、フローフォームに比べて外径が1ミリメートル小さい4ミリメートル、重量は3グラムと同比25%軽い。約1ミリメートルの厚い重ねに対応し、フローフォームでは難しかった引っ張り強度1000メガパスカル(メガは100万)級の超高張力鋼板にも打ち込むことが可能だ。

フローフォームは、高速回転による摩擦熱を利用して、穴を形成してねじ込む。下穴加工が不要で切り粉が出なく、作業性が良い。独アーノルドからライセンス供与を受けて、国内向けを新城製作所が製造する。欧米の大手完成車メーカーに採用実績が多く、国内ではフタバ産業が供給するトヨタ自動車レクサスRX」用ボディー部品のアルミと鉄の接合部に初採用された。

今秋をめどに臨海工場(岸和田市)で、約5000万円投じて、専用設備を導入。普及を目指して自社ラボに専用機を追加導入し、接合試験に対応できる体制も整えた。自動車ボディーに加え、電気自動車(EV)のバッテリーケースへの採用も見据え、完成車および部品メーカーに提案を本格化。27年度にフローフォーム国内販売5000万本を狙う。


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日刊工業新聞 2023年03月03日

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