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お肉のうま味逃さない!車部品メーカーが放熱技術生かして「食材解凍プレート」開発

お肉のうま味逃さない!車部品メーカーが放熱技術生かして「食材解凍プレート」開発

“ガジェット”好きに売り込む小型解凍プレートの使用例

ミナミダ(大阪府八尾市、南田豊司社長)は4月中旬をめどに、BツーC(対消費者)事業に参入する。自動車部品メーカーの同社はヒートシンク(放熱部品)の技術を生かして食材の解凍プレートを開発。素材はアルミニウム合金で高い熱伝導率と軽量性を備える。ステーキ肉などの食材は解凍の仕方がうま味を残すこつとなる。料理やキャンプなど、“ガジェット”好きなこだわりを持つ30―50歳の層に売り込みたい考えだ。

ミナミダが4月発売を予定するのは小型解凍プレート「OMRIQ PLATE(オムリックプレート)」。サイズは70ミリメートル四方で重量は75グラム。プレート裏側に板や剣山のようなフィン(羽)の構造を施した。これで空気との接触面積が増え、アルミ合金製プレートの熱伝導率の良さとの融合で、効果的な解凍をもたらすという。

小型解凍プレート

2個からの販売で、価格は2個5500円(消費税込み)。自社サイトでの販売だが、将来的には小売店での取り扱いも見据える。コロナ禍で密を回避できるレジャーとして人気が高いキャンプ需要などを取り込み、初年度1000個、500万円程度の販売を目指す。今後はバージョン違いや新規アイテムを、年2アイテム程度市場投入する計画だ。

ミナミダは1933年創業の自動車部品メーカーでタイやメキシコにも工場を構える。常温のまま、硬い金属材料に高い圧力を加えて成形する「冷間鍛造」の技術に強みを持ち、小型解凍プレートも冷間鍛造のノウハウをもとに仕上げた。同プレートの生産は本社工場(大阪府八尾市)内の既存設備の活用で対応できるという。


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日刊工業新聞 2023年03月02日

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