ニュースイッチ

東邦チタニウムが94億円で「ニッケル粉」新工場、大幅拡大見込む需要の中身

東邦チタニウムが94億円で「ニッケル粉」新工場、大幅拡大見込む需要の中身

東邦チタニウム

東邦チタニウムは約94億円を投じ、若松工場(北九州市、写真)内にニッケル粉の新工場を建設し、生産能力を従来に比べ約20%増強する。2025年度に完成させ、営業運転を開始する。ニッケル粉は積層セラミックコンデンサー(MLCC)の内部電極として使用される。足元、MLCC需要は調整局面となっているというが、スマートフォン向けやパソコン向けなどで用いられているほか、今後は電動自動車(EV)化、第6世代移動通信システム(6G)の実用化により大幅な需要拡大が見込まれている。

MLCCは電気・電子製品で電源供給の補助・安定化、ノイズの抑制などの機能を持つ。同社は小型で大容量のMLCCに対応するニッケル粉の供給体制を強化するための設備を新工場に導入する。

これまでも17年12月と21年4月、若松工場にニッケル粉工場を建設し生産能力を順次増強してきた。ニッケル粉の需要はさらに増加が見込まれることから、新工場では生産設備が追加できる建屋、インフラ設備を備える。設備を追加した場合、現在の生産能力に対して約40%の増産が可能になる。

日刊工業新聞 2023年02月21日

編集部のおすすめ