シャープの「AIoT家電」は防災に役立つか
シャープと防災科学技術研究所、茨城県つくば市の3者は、家電の音声発話機能を用いた防災情報の伝達効果を検証する実証実験をつくば市内で実施する。音声発話機能を搭載したシャープ製家電を使う市内の一般家庭数十件を対象に、防災情報を試験発信する。日常生活の中での情報の認知度合いなどを調べ、身近な家電が防災に役立つかを検証する。同様の実証実験は国内初という。
実験対象の機種は、人工知能(AI)とIoT(モノのインターネット)を組み合わせたシャープの「AIoT」対応家電のうち、冷蔵庫、エアコン、空気清浄機の3種類。同家電にはクラウドからの任意の音声データを発話できる機能が搭載されており、これを活用して防災情報を発信する。19日まで対象の市民を募集し、実験期間は27日―3月5日。
13日につくば市役所で会見したシャープの中田尋経AIoT事業推進部長は「ユーザーに寄り添った情報発信を検証し、(検証結果は)シャープ製以外の家電への展開も検討したい」と実験の狙いを説明。実験をコーディネートする防災科研の林春男理事長は「情報を確実に家庭に届ける媒体として家電の活用を検討したい」とした。(水戸)
日刊工業新聞 2023年02月14日