半導体装置用部品で新生産棟、京セラが追加投資に踏み切る
京セラは鹿児島国分工場(鹿児島県霧島市)で半導体製造装置用ファインセラミック部品の新生産棟を建設する。投資額は約30億円。既に同工場では半導体関連部品の工場増強を順次進めているが、その生産能力を超える旺盛な需要が続いているため追加投資に踏み切る。3月末までに着工する計画で、24年3月期中の稼働を目指す。
新生産棟では半導体製造装置の加工物を乗せる土台部分などのファインセラミック部品を生産する予定。1階建てで延べ床面積は約3000平方メートルで、生産能力は明らかにしていない。
同工場では21年に着工した半導体製造装置部品の生産棟が22年末に稼働したばかりで、さらに同様の生産棟を23年中の稼働を目指し整備中だ。ただ足元ではそれでも受注に応えきれず、生産能力の増強を急ぐ。
現在は世界経済の減速や、スマートフォンやパソコンなどの需要縮小を背景に、半導体や半導体製造装置、電子部品の需給は軟化傾向にある。ただ中長期では第5世代通信(5G)の普及や、車載、産業用での根強い需要などから市場成長は続くと見られ、同社部品の需給逼迫(ひっぱく)も当面続くことが予想される。
京セラは半導体関連部品や電子部品など注力分野で24年3月期から3年間で約9000億円の設備投資を計画している。そのうち半分以上は半導体関連になる見込み。谷本秀夫社長は「30年に向け倍増する半導体市場に付いていくため、投資を続ける」と話す。
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日刊工業新聞2023年2月6日